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SS まあいろいろ記念ショットとか飾ってます。 何飾ろう。 オワえもん絶賛公開中!(H21 7/30) 実はしっぽやショタが好きな私です ごめんなさい あといろいろこのときは暴走してたんだ.../// 絵とかも描いてる私ですが最近ショタとかしか描いてない (H21 8/11) オワタワー(H21 10/18) 某鯖にてhahahaお兄ちゃんと。(H22 7/6) 祝自鯖 (H22 7/7)
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キャラとの関係 キャラ名 関係 呼び方 解説 初遭遇話 涼宮ハルヒ 仲間 ハルヒ SOS団の団長、友人以上の存在?誤って殺した。死体がどうなっているか気になる。 048 God Knows…… 朝倉涼子 仲間? 朝倉 元世界で敵対したが、一緒に帰りたいメンバーに含める キョンの妹 妹 実の妹。誤って殺しかけた。長門に殺された……? 026 強殖装甲リリカルシスター 古泉一樹 仲間 古泉 SOS団の仲間。一緒に参加者を殺す 063 殺戮を大いに行う涼宮ハルヒのための団 朝比奈みくる 仲間 朝比奈さん SOS団の仲間の未来の姿。現在のみくるだと思っている。多分雨蜘蛛に殺されたと思う。 日向冬樹 敵対 なし 殺害する 011 0号ガイバーの憂鬱 佐倉ゲンキ 敵対 逃げられた 036 強殖装甲リリカルシスター ナーガ 敵対→主従→敵対 おっさんナーガ様 2度も負けて手下にされたが主催に強化してもらい、殺した 036 強殖装甲リリカルシスター ヴィヴィオ 敵対 殺し損ねた 048 God Knows…… クロスミラージュ 敵対 ゲームに乗っていると気づかれた 048 God Knows…… バルディッシュ・アサルト 敵対 ゲームに乗っていると気づかれた 048 God Knows…… 深町晶 敵対 ショウ 自分と同じガイバー。偽善者だと思っている 089 0対1~似て非なる少年たち~ スエゾー 敵対 襲撃する 089 0対1~似て非なる少年たち~ 小トトロ 敵対 襲撃する。トトロ質に取り利用した 089 0対1~似て非なる少年たち~ 雨蜘蛛 協力 雨蜘蛛さん 妹と朝比奈みくるの殺害を依頼する 101 道化は踊り蜘蛛は笑う スバル・ナカジマ 敵対 スバル とりあえず改心したふりをする。 132 Devil May Cry~Z.G.Kyonは悪魔なのか?~ レイジングハート・エクセリオン 敵対 恥ずかしい杖 141 逃れられぬ蛇の視線 ウォーズマン 敵対 黒い男 とりあえず改心したふりをする。 166 Fate/Zero(後編) リインフォースⅡ 敵対 性悪妖精 とりあえず改心したふりをする。 166 Fate/Zero(後編) 長門有紀 仲間 長門 SOS団の仲間。優勝してハルヒを生き返らせてもらいたい。妹を殺した……? 169 本当の敵 草壁タツオ 友好 草壁のおっさん ナーガを殺すために巨人殖装を貸してもらった 169 勝者と敗者 リヒャルト・ギュオー 敵対 自分が持つガイバーユニットを狙っている。 185 なるか脱出!? 神社の罠(前編) トトロ 利用 化け物 重症のところを助けてもらった。ガイバーショウと一緒にいた小さい奴に似ている。ガイバーの力が戻るまで守ってもらう。 188 耐えきれる痛みなどありはしない ライガー 利用 ガイバーの力が戻るまで守ってもらう。 188 耐えきれる痛みなどありはしない ピクシー 利用 ガイバーの力が戻るまで守ってもらう。 188 耐えきれる痛みなどありはしない フリードリヒ 利用 ガイバーの力が戻るまで守ってもらう。 188 耐えきれる痛みなどありはしない ケリュケイオン 利用 ケリュケイオン ガイバーの力が戻るまで守ってもらう。 188 耐えきれる痛みなどありはしない 高町なのは 利用 なのはちゃん ガイバーの力が戻るまで守ってもらう。 188 耐えきれる痛みなどありはしない ケロロ軍曹 利用 ガイバーの力が戻るまで守ってもらう。 188 耐えきれる痛みなどありはしない マッハキャリバー 利用 マッハキャリバー スバルの相棒らしい。ガイバーの力が戻るまで守ってもらう。 188 耐えきれる痛みなどありはしない 冬月コウゾウ 利用 冬月さん ガイバーの力が戻るまで守ってもらう。 188 耐えきれる痛みなどありはしない 最終状態表 【G-2 温泉内部・ロビー/一日目・夜】 【名前】キョン@涼宮ハルヒの憂鬱 【状態】ダメージ(中)、疲労(中) 【持ち物】デイパック(支給品一式入り) 【思考】 1:手段を選ばず優勝を目指す。参加者にはなるべく早く死んでもらおう。 2:ガイバーが戻るまで記憶喪失のふりをして冬月達に守ってもらう。 3:採掘場に行ってみる? 4:ナーガが発見した殺人者と接触する。 5:ハルヒの死体がどうなったか気になる。 6:妹やハルヒ達の記憶は長門に消してもらう。 ※ゲームが終わったら長門が全部元通りにすると思っていますが、考え直すかもしれません。 ※ハルヒは死んでも消えておらず、だから殺し合いが続いていると思っています。 ※みくると妹の死に責任を感じて無意識のうちに殺し合いを否定しています。 殺す事を躊躇っている間はガイバーを呼び出せません。 ※スバルの声を聞き逃しました。 踏破地域 【B-2】学校→【D-2】遊園地→【C-3】高校→【C-5】森→【G-7】採掘所→【G-6森】→【H-7】森→【H-6】森→【J-5】レストラン→街道→【I-3】コテージ内部→コテージ付近→コテージ内部→コテージ付近→街道→【I-4】森のリング→【G-5】森→【F-5】神社→【G-3】森→【G-2】温泉→温泉内部→ロビー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 A■■■■■■■■■■ B■□■■■■■■■■ C■■□■□■■■■■ D■□■■■■■■■■ E■■■■■■■■■■ F■■■■□■■■■■ G■□□■□□□■■■ H■■■■■□□■■■ I ■■□□■■■■■■ J■■■■□■■■■■ 名前 確認事項 キョン 日常・布団の上より 不気味な外見の一つ目モンスター(スエゾー)、なんか餅みたいな奴(モッチー)、カンガルー(ハム)、仮面を着けたレスラー(キン肉勢)、巨大な怪物(ナーガ)、蛙人間(ケロロ勢)?を確認 名前 対象者 感情 キョン 長門 何やってんだよ! タツオ 何しやがるこのおっさん カヲル 死んだことを確認
https://w.atwiki.jp/dangerousssig/pages/34.html
*<プロローグ、試合名等がここに表示されます> 以降に書かれた文章が、公開されるSSと同じレイアウトになります。 このページはwikiに掲載されるSSページのサンプルです。投稿前の表示テスト等にご利用ください。 ―――――――――――――――<以下がSSページ本文となります>――――――――――――――― ルビ(振り仮名)を振りたい場合は、 振り仮名(ふりがな) を使用(しよう)してください。 SS作成やアイデア整理・相談に役立ちそうなソフト・他 にゃんずプロセッサ http //www.vector.co.jp/magazine/softnews/160809/n1608091.html わかりやすい、構造的な文書を誰にでも作成できる。 リッチテキストベースのシンプルなアウトラインプロセッサ ---- Foliaro http //www.vector.co.jp/magazine/softnews/110614/n1106141.html Webページの内容やブックマークまで階層管理できる“アウトラインプロセッサ+ブラウザ” ---- NanaTerry http //www.vector.co.jp/magazine/softnews/130226/n1302261.html 自動保存機能なども備えた、リッチテキスト対応の階層型メモ帳ソフト ---- iEdit http //www.vector.co.jp/magazine/softnews/101201/n1012011.html ツリー構造とダイアグラムを自由に扱える、柔軟性の高い“アイデアプロセッシング”支援ソフト ---- XMind 7 http //forest.watch.impress.co.jp/docs/news/732890.html 中心となるキーワードから放射状の樹形図としてキーワードを配置しながらアイデアを表現・発掘していく“マインドマップ”の作成ソフト。 マインドマップだけでなく、ツリー図・魚骨図・組織図といったさまざまなスタイルの図を作成することも可能。 ---- マインドマップ作成方法 https //imindmap.com/ja/how-to-mind-map/ ---- ChatWork http //forest.watch.impress.co.jp/library/software/chatwork/ ビジネス向けコミュニケーションサービス“ChatWork”のデスクトップ向けクライアント 無償で利用できるフリープランでは、14のグループチャット、1対1のビデオ会議、5GBのストレージが利用できる。 ---- テキストエディタの比較 http //wikiwiki.jp/texteditor/?%C8%E6%B3%D3
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※ここだけ見るとハルキョン注意 三学期。来るべき朝比奈さんとの別れに備え、古泉達は準備を進め、長門は観測……場合によっては機関への協力を辞さない……構えを取っていた。 俺は……ハルヒの遊び相手になったり、話相手になったり、佐々木と会って勉強をしたりで、慌ただしく日々は過ぎた。 「……………正直、閉鎖空間の処理でいっぱいいっぱいですよ…………」 古泉が、珍しく愚痴をこぼしてきた。神人は、盛大に大暴れしてくれたほうがまだマシという状態らしい。 「ただ空を見上げていたり、叫んでいたり………。行動をしないんです。ある意味、安定しているのですが…………」 そんな状態の神人を倒すのは、さすがに心が痛むようだ。 「……………………」 長門は、無言で本を読んでいる。………まぁ、これはいつもの事か。 「まぁ…………ハルヒを安定させてやらねぇとな。」 「……………………」 古泉が、俺を寂しそうな目で見る。気持ちの悪いヤツだな。 「ハルヒ。」 「あぁ、なんだ。キョンか。」 帰り道。たまたま校門にいたハルヒに声をかける。 「たまには一緒に帰るか?」 勿論断られる事が前提だ。 「………………あんたと?ま、たまにはいいか。」 返事は、意外にもイエス。俺はハルヒと肩を並べて帰る事になった。 「浮かない顔だな。」 「そりゃそうよ。」 ハルヒは溜め息をついて前を見た。 「……………卒業式が終わったら、もうみくるちゃんと会えない気がする。」 ………意外な言葉に、俺はハルヒを二度見した。 「…………こっち見んな、バカキョン。」 ハルヒは、憂鬱そうに言う。最近のハルヒの憂鬱。それは、朝比奈さんとの別れだとは分かっていた。しかし…………ハルヒは、持ち前の洞察力を駆使し、その先を考えていたのだ。 「……………あんたも知ってるわよね、あたしの中学時代。」 ああ。よく知っている。散々に奇行をやらかしていたみたいだな。 「…………茶化すな、バカ。とにかく、殆どいい思い出なんかなかった。……………そんな中で、北高に来て…………SOS団を結成して………………毎日が楽しかった。」 ああ。俺もだ。なんだかんだ言って、楽しいぜ。 「…………始まりがあれば、必ず終わりはある。それはあたしも理解してる…………。でも…………」 ハルヒは下を向く。 「…………笑って、お別れしてやらねぇとな。朝比奈さんと。」 「……………………。」 目に眩しいと思ったら、夕日か。ハルヒの表情は、逆光になり、よく見えない。 「……………あんたは、いなくならないよね?あたしの前から…………。」 夕日で、ハルヒの表情がよく見えない。 「ま、どんな形であれ、お前とは一生付き合うような気がするぜ。」 お前が望む限り、な。 ハルヒは、その言葉に満足したらしい。100Wの笑顔を見せ、俺を向くと……… 「団長命令よ!」 と笑顔で叫んだ。 「やれやれ。」 ハルヒと別れて暫く歩いていると、後ろから声をかけられた。 「やぁ、親友。」 「よう。佐々木。」 佐々木だ。今日は塾がないらしい。 「くつくつ。少し前から気付いていたんだが、青春の一ページに乱入するのは不粋だからね。」 「そうかい。」 どうやら見られていたらしいな。さて…………どうしたもんか。 END
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――シュワシュワシュワァァァァァァ…………… ヒグラシ達は自分の一生を悔いの無いものにするため、止む事無く耳障りな求愛行動を続けている。 「だあ!うるせえ!」 どうやらあまりの暑さとうるささに、キョンの堪忍袋の尾が切断されたようだ。同時に勉強机代わりに使用していたちゃぶ台から立ち上がった。 「キョン、落ち着きたまえ。君がいくら騒いでもヒグラシ達は君の願いを聞き入れたりはしない。過去に学者が蝉の鳴き声は大砲の炸裂音にも勝るという実験結果を出したくらいだからね」 「それでもうるせえもんはうるせー!こっちは模試の結果が芳しくなかったんだよ!」 キョンはあぐらをかいて、いらだたしげ頭をかきむしった。 「キョン、蝉のせいにしてはいけないよ。もし仮に、蝉が僕達受験生の妨害工作をするために嫌がらせをしているというなら、僕だって前回の模試は悪かったはずだ」 「……はあ。蝉なんか絶滅しちまえ。受験生にとっちゃゴキブリの次くらいの害虫だ。その功績を讃え、俺から「世界害虫ランキング」の銀メダルをくれてやるよ。だからそれ持って消えてくれ」 今日はいつもより明らかに言葉遣いが悪い。しかし気持ちはわかる。エア・コンディショナーの労働を疑いたい程の暑さだ。仕方ないことではあるね。 「お前はさっきから涼しい顔で問題集問いてるよな。どんな体のつくりをしてるんだよ」 キョンは襟を開き、下敷きで風を送って涼んでいる。 認めよう。普段の僕ならその剥き出しの鎖骨に目を奪われるだろうが、僕の頭は少しでも体温の上昇を抑制するためか、頬の血行の循環は良くならない。人間の体とは便利であるね。すこし複雑ではあるが。 「キョン、僕だって暑さを感知していないわけではない。実際問題、君が僕の部屋にいなければ、おそらく下着姿で問題集を埋めていただろう。その点を考慮すれば、君がいるおかげで僕は羞恥心をかなぐり捨てずに済んでいる。感謝しているよ」 「少し残念な気もするが……」 「キョン、な、に、か、言、った、か、い?」 「いえいえ佐々木さん。なんでもございません」 キョンは誰が見てもわかるくらいに動揺しながら視線をそらした。わかりやすい奴。この助平。 「キョン、君との会話は僕に安らぎと驚嘆を与えてくれるが、妄言はそこまでにしてそちらに取り掛かっておくれ」 僕は先ほどキョンが投げ出した問題集を指さした。君が一段落ついたら昼食にするから、それまで一念発揮してがんばってくれ。 「日曜だってのに、いつもすまんな」 「かまわないよ。君に勉学を教えることは僕の復習になる。それにただの復習になるだけでなく、さらに深い知識となって返ってくるからね。だから気にしないでくれ」 キョンから投げかけられる疑問は的を得ているし、時には僕の想定以上の回答が生まれることがある。つまり飽きない。 「お前の家での楽しみつったら、お前の講義とお前の手料理くらいだからな。期待してるぜ」 くっくっ、君の期待に応えられるように頑張るさ。 そしてまた、僕たちは机の上の問題集達を切り崩す行為に戻った。 「キョン。こんなものしか用意できなかったが、召し上がってくれ」 「涼しくていいじゃないか。最高だよ」 本日の昼食は冷麺だ。他の地方では「冷やし中華」「冷やしラーメン」と呼称するらしいが、関西一帯ではこの呼び名が一般的のようだ。 「大袈裟だね。ゆでた中華麺の上に細切りのハムに叉焼 、錦糸卵、キュウリにトマトをのせただけの代物だよ。大した手間ではない」 テーブルの勉強道具を片付け、向かい合って手を合わせた。 「ああ、ちょっと待ってくれ」 僕が食材達への感謝の意を心の中で呟いていたときだ。どうしたんだい?くっくっ、ひょっとしてフォークでなければ食べられないかい? 「俺はそんなにお子様じゃねー。まあ妹なら欲しがるが。じゃなくて、マヨネーズはあるか?」 「冷麺にマヨネーズ?君は変わった嗜好をしているね」 美味しいのだろうか?タレでマヨネーズがべチャべチャになって、あまり気色の良い料理とは思えない。 「ほっとけ。この前の盆に、ばあちゃんの家で冷麺が出てきてな。静岡の親戚がこれにマヨネーズをかけてたんだよ。けっこううまかったぜ?」 「そうか。なら少し待っていてくれ。今からマヨネーズを取ってくるよ」 「二度手間で悪いな」 彼は少しだけ申し訳なさそうに頭をかいた。 「かまわないよ。僕も少しだが興味はあるしね」 マヨネーズか。僕の想像を超えた嗜好である。食べたいとは思わないが見てみたい。 キョンは僕からマヨネーズを受け取ると、冷麺の中央にケーキのデコレーションのようにマヨネーズをトッピングした。マヨネーズが乗った分、タレはスプーン小さじ一杯。少なめだ。 「なるほど。マヨネーズを上からかけるかわりに、タレを少量におさえるわけか。確かに利には適っている。これならマヨネーズが崩れる心配もない」 「多分、冷麺の食い方にそこまで難しい分析をしたのはおまえだけだ。きっとこいつらの故郷の中国にだっていねえぜ」 「キョン。みんなは誤解しているが、このタイプの冷麺の発祥地は日本の東京都だ」 「へえ、そうだったのか」 キョンは僕のウンチクに耳を傾けながら、冷麺を胃に送り始めた。僕もそれに習い、食事を開始した。 「ああ。というより、中華圏には酢を使用した冷たい麺料理は存在しないようだ。あちらの人々は、どうも酸味のある冷たい料理を食習慣から腐敗による酸味と捉えるため、日本の冷やし中華や酢飯などを嫌う傾向にあると聞いた」 「それじゃ、あっちの奴らの寿司はただの白米かよ。もったいねえな。あんなにうまいのに」 「まったくだ。僕たちにとって寿司は酢飯の酸味と新鮮な生魚が醸し出す究極の日本料理だと言うのにね。その国の風土を否定するわけではないが、僕たち日本人にとって、世界に胸を張って自慢できる料理が完璧に伝わらないなど嘆かわしいかぎりだ」 僕がそう言うと、キョンは何か思い立ったかのように言葉を吐いた。 「そういや寿司の起源は日本じゃなくて中国にあったって知ってるか?」 「くっくっ、僕を言い負かすつもりだっただろうが愚問だね。2世紀末成立の『釈名』という書物に記されていたらしく、魚を塩と飯で漬け込んで、熟してから食べる料理が起源だったらしい」 「お前はウィキペディアかよ。ちっ、知ってたか」 キョンは悔しそうに舌打ちをしてしまった。雑学で僕に先手を取るなど君には無理さ。 「む、ならこれはどうだ。平安時代の寿司は……」 「なれ寿司とよばれていて、魚を塩と飯で漬け込み熟成させていたが、食べるときには米を抜いていた。ちなみに米を同時に摂取するようになったのは室町時代に入ってから。だね?」 キョンは目を見開いて絶句してしまった。くっくっ、どうやら僕の勝ちみたいだね、キョン。 「つーか俺の答えより詳しいじゃねえか。降参だ。お手上げだ。全力で白旗振ってやるよ」 キョンを完膚無きまでに叩き込んでから、胃に麦茶を流し込んだ。やはり勝つことは気分がいい。自然と笑みがこぼれてしまう。 「はあ、これで勝てたら次は天ぷらの起源はポルトガル語だって言おうと思ったんだがな。やれやれ、寿司でこんだけ詳しいなら、さすがに知ってるか」 キョンはため息と同時に捨て台詞を呟いた。…………………………え? 「……それは本当かい?」 僕はグラスに注がれている麦茶を半分ほどで飲むのを止めた。 「へ?知らなかったのか?16世紀頃に、ザビエルみたいな奴らがキリスト教と一緒に伝来させてな。まあそん時は「南蛮焼き」って言われてて、どっちかつーとフリッターに近かったみたいだが、それが起源らしいぜ」 ……不覚。まさかキョンに雑学で言い負かされるとは。 今度は僕が悔しがる番のようだ。僕の苦虫を噛み潰した顔を見て、キョンの頭の上に勝利の二文字が浮かんでしまった。悔しい。 「もういいよ。残りは自分で調べる」 「そうかそうか。佐々木にも知らない雑学があったか。ちなみに名前の由来はポルトガル語の temperarから来ていて、意味は「調味料を加える」「油を使用して硬くする」らしいぜ」 喜色満面。キョンは得意げに知識を披露し始めた。聞こえなかったのかい?もういいと言ったはずだが? 「悪い悪い。お前の悔しがる顔なんて珍しいからな。しっかりと俺の網膜に焼き付けておくよ」 「……キョン、君はいつからサディズムに目覚めたんだい?悔しがってる人に追い討ちをかけるなど鬼畜以外の何物でもないよ」 「ハハハ、それこそ大袈裟だな。ついで言うと漢字で書く「天麩羅」は当て字で、江戸時代の山東……」 「後で調べる楽しみが減る!聞きたくない聞きたくない!ワー!」 僕は両手で耳を塞いでわめき散らした。中学生の分際で言葉責めをするなんて、君はなんてヒドイ人だ。 「悪かったって。だから機嫌を直せよ。な?」 「フン。私語は受験生にとって集中力を欠く典型的な行為である。よって口を開く前に問題を解くべきだ」 勉強会午後の部開始である。だが、僕の気分は先の昼食時から下降し続けている。 「さっきから俯いたまんまじゃねえか。その姿勢だと肩凝るぜ?拗ねるなって」 「……別に僕は拗ねてなどない。それに勉強中は集中するといつもこんな姿勢だ」 ああ、思いっきり拗ねてるさ。君は僕の役目は奪った。拗ねるに決まってるだろう? 「じゃあ、その食事中のリスみたいに膨らました頬はなんだ。モノマネか?」 僕は自分の頬に触れてみた。……確かに見ようによっては膨らんでいるように見えないこともないような気もしないでもない可能性が申し訳程度に存在しないこともない。いつも思うのだが、そのたまに見せる無駄な鋭さはなんだ。なぜもっと肝心な場所で発揮されない。例えば模試の時とかにね。 「これは……飴玉だ。程よい糖分は頭の回転を助ける効果がある」 適当に応えておくことにした。 「いつ舐めたんだよ」 「さっき」 もう話しかけないでくれ。問題集に集中できないし、何よりそろそろボロが出てしまう。 「佐々木。へそが曲がってるぞ」 「え?」 唐突に発せられたその言葉に、僕はついへその周囲に触れるという反応をしてしまった。そしてへそを曲げるという慣用句の意味を思い出したのは、キョンのニヤリとした笑顔を見たと同時だ。 「………………このいじめっ子。幼稚園からやり直して女の子に優しくするというフェミニスト精神を学んで来るがいい」 「多分暑さで脳みそがやられてるんだろ。悪かったって」 「絶対関係ない。その理論でいけば、赤道直下の東南アジアの国々の人々は皆サディストと仮定される」 「さてと、お遊びはここら辺にして真面目に勉強に取り掛かるか。佐々木、ここが良くわからん。どう解けばいいんだ?」 キョンはシャープぺンシルの頭で、その問題文をトントンとノックした。 「ああ、ここは確かに難解な説明をなされているが、惑わされずに基本の公式さえしっかり理解していれば簡単だよ」 「そうか。それならもう少し自力でやってみるよ。ヒントありがとうな」 「それがいい。君はどうも人に頼る部分があるからね。それに君は自分の実力を過小評価しすぎだ。僕は君はもっと伸びると思うよ。それこそ僕と同じ市外の進学校に進めるくらいにね」 「それは買いかぶりすぎだ。俺なんか北校で手一杯。お前に教わらなきゃもっと下だったかもしれん」 いい加減凡人を装うのは止したほうが良い。僕みたいに難解で、傍から見たら面倒な女の思考に真っ向からぶつかれる君に、理解力がそなわっていないわけがない。 鈍感だと思えば無駄に鋭くなるし、鋭い指摘をつけば鈍感になる。君はいったい何者なんだい?天邪鬼か気分屋か、それとも僕の想像をはるか超越する稀代の天才か。 「まったく。君って奴は……」 「どうした?」 「いや、なんでもない。気にしないで勉学に戻ってくれたまえ」 「へいへい。…………良し!これでどうだ?」 のんきだね。僕はいつか君に抜かされるかもしれないと、常に焦燥感に襲われているというのに。 僕を抜くことはとても嬉しいが、それは同時にとても寂しい。本当に君はヒドイ人だ。 「……注文は以上です。お願いします」 オーダーを取りに来たウェイトレスのゼロ円スマイルに、僕は笑顔を返した。 「お前は俺にかける情けはないのか?頼みすぎだ」 「君は僕を辱めた。それがリーズナブルなファミレスでの夕食で許されるのだ。感謝はされこそ咎められる覚えはない」 僕は仕返しの意味をこめて、わざと「辱めた」の部分だけ声を張り上げて強調した。 「はあ、わかったよ。今日はジャンジャン食え。遠慮するな」 そのつもりだ。今日はいつもの倍は頭と気苦労を使ったため、空腹が臨界点を突破しているよ。 「ふう、僕は満足している。ごちそうさま」 「これで今月は質素な生活決定だよ。どうしてくれる」 さあ、どうだろうね。僕としてはジャンボカツが予想以上にジャンボだったことと、会計終了時の君の青い顔くらいしか興味をそそらなかったからね。 「どっちがいじめっこだ。歩かすぞ」 「今運動すると凄いことになる可能性があるので拒否する。それに僕は君の自転車の荷台が気に入っている。だからしっかり漕いでくれたまえ」 夜風が僕の髪を撫でる。 頭上には月が煌く。 自転車を漕ぐ君の背中。 僕はそれらを眺めながら、鼻歌を口ずさんだ。 「きれいなメロディーだな。なんて歌だ?」 運転中のため、キョンは振り向かずに聞いてきた。 「さあ、僕にもわからない。なぜならこれは今ここで生まれた曲だからね」 「やっぱりお前は何でもできるな。じゃあついでに今すぐ題名を決めてくれ」 「くっくっ、これはまた性急だね。ちょっと待ってくれ」 しばしの思案後、ある単語が思いついてしまった。 「自転車の歌。どうだい?」 ガタン!僕の発表に反応したかのように、一瞬だけ自転車は大きく蛇行してしまった。つまりコケかけたのだ。 「……………………ネーミングセンスは人並み以下なんだな」 「……ほっといてくれ。自覚はしている」 どうせ僕は犬を見たらポチだし、猫はタマとしか思いつかない人間さ。 「なら君の案を聞かせてくれ。そこまで言うならば、さぞ立派なタイトルなんだろうね」 「勘弁してくれ。夏が冬に変わっちまうくらい寒いのしか思いつかん」 「それは聞いてみたいね。今夜は熱帯夜になることが予想されるしちょうどいい。聞かせてくれ」 「暑いならデザートとしてあそこのコンビニでアイス食わねえか?奢ってやるぞ。つーか奢ってやるから忘れてくれ」 キョンは自転車を止め、目の前のコンビニを指さした。貸し一だよ。 「頼むから忘れてくれ」 くっくっ、絶対に覚えておくよ。 「ここで食おうぜ」 数分後、コンビニでキョンはアイスモナカ、僕は氷菓の宇治金時カキ氷を購入し、近所に高級分譲マンションが建つ公園のベンチに腰掛けた。 僕は小さく頷いた。 「ん?どうかしたか?」 僕のいつもと違う様子に勘付いたのだろう。キョンは不思議そうに僕の顔を眺めてきた。 普段の僕ならば、宇治金時カキ氷について様々なウンチクを語りながら楽しく食べるだろうが、今はどうも緊張してしまう。 狭いベンチだ。僕のすぐ隣にはキョンの肩。触れそうで触れないこの距離がもどかしい。 「そんなにのんびり食べてると溶けるぞ」 まったく。君は本当は僕の気持ちに気付いてるんじゃないのかい?やれやれ……本当に君はヒドイ人だ。 「僕は……」 「ん?どうした?」 「……いや、何でもない」 だめだ。これ以上言ったら僕は引き返すことができなくなる。 君は僕に恋愛感情を抱いていない。それぐらい見ていればわかる。 僕が君に気持ちを伝えても、君はそれには応えてくれない。応えられない。 だって僕達は『親友』だから。 その時、夜空に一筋の流れ星が流れた。 キョンはアイスにかぶりついていたため、気付かなかったようだ。 僕だけが気付いた流れ星。僕は願い事を心の中で呟いた。 『またいつか、私と二人っきりでアイスを食べてください』 完
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さて、今から言うことは俺の妄想の産物である。目がさえてはいたが、 眠らないと明日がきつくなると思ったので、無理やりベッドの中に潜り込んでみたものの、 やっぱり寝られない。今時、眠るために羊を数えるのも相当アレなので、 ちょっと気を紛らわせるためにあることを妄想してみようと考えている。 まず、今日の夜にあったことが妄想を作り出すキーとなる。 恐らく地球人類の大半は認識しているであろう、人間の最大の敵、国際テロ組織ブラックデビルの 工作員が我が家に侵入攻撃を仕掛けてきたのだ。ちなみにやたらと大仰にぼかしてあるのはストレートに表現すると 大変胸くそ悪くなるからという短絡的な理由なので気にしないでくれ。 で、我が妹がキャーキャー黄色い悲鳴を上げて逃げ回るのを尻目に、 俺はスリッパとホウキという通常戦力で立ち向かうがあえなく撃沈。陸空を動ける高機動性を甘く見ていたぜ。 やむえず、国際法に違反しかねないと自覚しつつも、化学兵器を投入して勝利を収めることができた。 ……アフリカの原住民に負けそうになったイタリア軍みたいなんていうちょこざいなツッコミは受け付けんからな。 まあ、そんなこんなで我が家に平和が戻ったのだが、ふと考えたことがある。 それはSOS団の連中が同じ状況になったらどんなリアクションを取るのだろうか?というささやかな疑問だ。 その時はそのまま思考終了だったが、せっかく時間をもてあましているのだから、ちょっと妄想してみようと思う。 ★ 舞台設定 まず、舞台設定だ。とくに凝る必要もないし、団員が誰もいない部室に入ったところ、 団長席をテロリスト工作員が占拠していたというもので良いだろう。 ● SOS団団長涼宮ハルヒの場合 (ヒーロー編) トップバッターはまずハルヒだ。まあ、普段の超強気な性格からして我が妹と同じ行動を取るとは思えないな。 まず、部室にハルヒが登場。 「やーっほーっ……って誰もいないじゃん。ったく、みんな不真面目ね! ちょっと説教してやろうかしら」 そんなことをぶつくさ言いながら、部室の真ん中辺りまできて、工作員に気が付くわけだ。 「なっ……!」 眉毛を引くつかせて、額に神経を浮かせるハルヒ。当然、それは恐怖ではなく怒りのためだ。 「こここここぅらあぁぁぁぁ!」 奇声のような意味不明な叫びを挙げて、掃除用具入れからホウキを取り出すハルヒ。 そして、団長席にじりじりと詰め寄っていく。 「ふふふふふふ、神聖なるあたしの団長席を占領するとは良い度胸じゃない! その宣戦布告は受け取ったわ!」 そうハルヒは威勢良く敵とにらみ合いを続ける。 そのまま、数分間が経過し、ついにハルヒが仕掛けた! 「とおっ!」 昔の特撮ヒーローのかけ声を挙げつつ、一気に机上の敵にホウキを振り下ろす! しかし、奴も負けてはいない。即座に超高速機動を発動し、華麗にハルヒの攻撃をかわした。 ホウキが机に叩きつけられる音だけがむなしく部室内に響き渡る。 「おのれちょこざいな!」 負けることが運命づけられているようなセリフを吐きつつ、ハルヒは容赦ない追撃を開始。 「まてー!」 結構かわいい声を上げながら床を高機動で逃げ回る奴を追いかけていくわけだが、敵も中々しぶとい。 あの手この手を使い、持ち味の高機動を駆使して、部屋の隅に逃げ込もうとする。 しかし、我らが団長涼宮ハルヒも負けてはいない。致命的ダメージを与えられないものの、 巧妙なテクニックでやつらの聖域(壁の隙間とか本棚の後ろとか)への撤退を許さないのだ。 これは持久戦か……という展開を思わせていたが、意外に決着は早く付いた。工作員が不利を悟ったのか、 起死回生の手段に打って出たのだ。 「うわっ!」 そう悲鳴を上げるハルヒ。なぜなら、奴が突然彼女の顔めがけて特攻を仕掛けてきたからである。 ここで一度ハルヒに精神的ダメージを与えてひるませたスキに、撤退するという作戦なのだろう。 どんな屈強な軍人でも、真正面にこいつが飛んできたらビビって逃げ出すに違いない。 だが、ハルヒは通常の神経は持っていない。世界一の負けず嫌いだ! それくらいでひるんだりはしないぜ! 「もらったぁ!」 全盛期の王貞治のように、ホウキをバット代わりにきれいな一本足打法で、奴をクリーンヒットだ! そのまま、窓の外へホームラン! 我がSOS団の完全勝利! きまったぜ! ◇◇◇◇ ……とまあ、ちょっと盛り上げてみたが、どうもいまいち感がある。原因はやはりハルヒだ。 いさましいのは大変結構だが、ちょっとかわい気がなさすぎやしないか? もーちょっとなんというか、 女の子っぽい側面を持っていても良いと思うんだよ、俺は。 というわけで、実はハルヒはブラックデビル団にトラウマを持っているという設定を追加してみよう。 ● SOS団団長涼宮ハルヒの場合 (トラウマ編) 登場は同じだ。 「やーほー! って、だれもいないじゃん――げっ!」 だてに精神的外傷と書いてトラウマと呼ぶだけのことはある。とっさに奴の気配を感じ取ったハルヒは 恐怖のあまり、部室入り口で硬直状態になってしまうのだ。 「…………」 いつもの傍若無人ぶりはどこへやら。すっかり青ざめてしまったハルヒだ。さて、こういう場合、 どういう行動を取るのだろうか? しばらくそわそわと考え込んでいたハルヒだったが、やがて携帯電話を取り出し、呼び出しを開始する。 なるほど、援軍を要請するみたいだな。まあ、順当な行動だろ――ってちょっと待て。 「あ、キョン? 部室が大変なことになっているから、とっとと来なさい? え? 今手が離せない!? 団長命令よ! 30秒以内に来ないと、明日の弁当を食っちゃうからね! 何でも良いからとっとと来なさい!」 やっぱ、俺が呼ばれてんじゃねーか! ちなみに今日は黒妖怪に勇気を持って立ち向かいはしたが、 基本的に一般人スペックな俺は当然奴の姿を見るだけでもイヤだ。 しかし、この状況で部室が敵に占領されているなんて知りもしない俺はのこのこと現れる。 「なんだ、ハルヒ――」 「うりゃぁ!」 部室の中に少しでも入ったのが運の尽きだ。ハルヒに回し蹴りを喰らい、俺は部室の中に転がり込んでしまう。 「なにしやがる!」 そう俺は顔を紅潮させて抗議するだろうが、すでに部室の扉はしっかりと閉じられているはずだ。 あいつの目的は一つだろうからな。 イライラ限界な俺が閉じられた部室の入り口を開こうとするが、ぴくりともしないだろう。それもそのはず、 ハルヒが持ち前の馬鹿力でしっかりと扉を封鎖しているからだ。 「おいハルヒ、これはいったい何の冗談だ? とっととここを開けろ」 「キョン、あなたの死は決して無駄にしないわ……」 物騒なハルヒの声がドア越しに聞こえてきた辺りで、俺も背後の奴の存在に気が付くだろう。 「ちょっと待てハルヒ! いくら何でもこれはあんまりじゃないか!?」 「ええい! 部室の平和を取り戻すのも団員の役目よ! 奴を殲滅するまでここから一歩も出さないからね!」 「手ぶらで戦えってのか!?」 「ファイトよ!」 「もっとマシなことを――」 そこである音に俺が気が付くんだ。おそるおそる団長席の方を振り返ると、奴が飛行形態へ変形し、今にも 俺の方へ飛び立とうとしていて―― ◇◇◇◇ ――眠くなるどころか気分が悪くなってきたぞ。ここから先は、俺の苦闘シーンに突入するだろうから カットだカット。何が悲しくて、妄想の中でもあいつとたたかわなけりゃならんのか。 さて、ハルヒ編を想像してもろくな結果になりそうじゃないので、次に行こうと思う。 SOS団最強の無口文芸少女・長門有希の登場だ。 ……しかし、あいつの行動パターンは一つぐらいしか思いつかないが。 ● 長門有希の場合 (最強伝説編) いつものように無口で部室に登場。当然、長門の察知能力ならば、視認する必要もなく部屋に入る前に 奴の存在に気が付いていそうだ。しかし、 「…………」 無言のまま定位置に座り、そのままいつものように読書を開始する。当然、工作員のことなど完全無視。 これには奴の方が唖然とするんじゃないのか? 人間――外見だけだが――至近距離にいても 何のリアクションも起こさないなんて闇の邪教集団ダークの存在がこの地球上に出現して以来一度もないはずだ。 ……さすがにそれは言い過ぎか。 長門にとって見れば、奴の存在なんぞ太陽系第三惑星に生息している一生物程度の扱いでしかないんだろうな。 歩く病原菌みたいな存在であっても、長門に何らかのウィルスが感染する可能性なんて皆無だろうし。 しかし、工作員もこの状況が我慢できるわけがない。奴にもプライドというものがあるだろうからな。 そこで、果敢にも長門に闘いを挑むわけだが、 「邪魔」 と、一瞬で謎の超能力により消滅させられて終了。あっけない幕切れだった。 ◇◇◇◇ まあ、なんだ。展開的にハルヒ以上に味気がない。長門らしいと言えばそれまでだが、もうちょっと何とかならんのか。 しかし、ハルヒのようにトラウマをとってつけるわけにもいかん。長門は基本的に無口無表情であり、 俺もそれ以外の彼女を一度もみたことがないため、想像のしようがないのだ。 仮に無理やり怖がらせてみても「きゃーこわいたすけて」なんていういつぞやの映画内以上の超棒読みセリフしか 脳内再生ができない。 ……いやまてよ? 年末に別の世界にすっ飛ばされたときにあった、あの内気で気の弱そうな長門なら もっと別な想像ができそうだが―― ● 長門有希の場合 (○○○編) あのおどおどとした感じの長門が部室に入ってくる。 少し鈍そうだからな。たぶん、気が付かずに定位置の椅子に座るだろう。 「…………!」 その時についに奴の存在に気が付いてしまうんだ。さらに驚きのあまり椅子に座り損ねて、 床に倒れ込んでしまう。 その隙だらけな彼女を奴が見逃すわけがないだろう。ここぞとばかりに強気に出て、内気少女長門有希へ 接近を開始する。 「あ……ああ……」 一方、おびえて声も出せない長門は床をはいずり回るように逃げるが、それをさもおもしろそうに 奴はじりじりと追いつめていくんだ。 「……助けて……」 やがて、部屋の隅においこまれてしまった長門。 もはや逃げ場を失い、声にもならない悲鳴を上げることしかできなくなった彼女に、 牙をむき出しにした変態黒男はついに―― ◇◇◇◇ 段々罪悪感が俺の頭の中に蔓延してきたのでここで強制終了だ。 つーか、俺は一体何を考えているのか? か弱い少女をいたぶるような想像をするなんて、 人間として最低じゃないか。俺はそこまで落ちぶれた憶えはないぞ。やめやめ。 さて、気持ちを切り替えたいのでとっとと次に行く――しかし、順番的に考えれば、 古泉の番になるわけだが、いくら眠れない時間の暇つぶしとはいえ、なぜにベッドに潜り込みながら、 インチキさわやかスマイル野郎のことなんか想像せねばならんのか。 ………… ………… ぶつくさいっていても始まらないので、とりあえず想像してみる。眠気も中々来てくれないしな。 ● 古泉一樹の場合 (スマイル編) さて、まず古泉が誰もいない部室に現れるのだが、 「やあみなさん、ごきげんいかがですか――おや、だれもいないようですね。少し早すぎましたか」 こんな感じだろうか? いまいち想像できん。よくよく考えれば、あいつが一番最初に部室に 現れていたことがあった憶えがないし、たとえあってもその場に俺はいないんだから、 どういう行動を取るのか知っているわけもない。そういや、以前気色の悪いスマイル面は演技のようなことを いっていたっけな。意外と一人の時は本性丸出しなのかもしれん。見たことがないから想像もできないが。 そして、次に工作員の存在に気が付く訳だが、 「…………」 リアクションが想像できん。思いつくのはしばらく考え込むぐらいだな。それで行こう。 そして、思考が終了したのか、何やら悪巧みを思いついたらしい。ぽんと手を叩くと、何やら携帯をかけ始める。 相手はあの古泉が謀略により担ぎ上げた生徒会長だ。 しばらく話し込んでいたようだが、やがて悪巧みの算段が整ったらしい。満足げに携帯を一旦切ったかと思えば、 またすぐに別の番号へ発信を始める。相手はやはりハルヒだろう。 「あ、どうも涼宮さん、ちょっといいですか」 『古泉くん? めずらしいわね、あたしに携帯をかけてくるなんて』 「ちょっと、気になる情報を入手しましてね……」 『ひょっとして――またあの陰険生徒会長が何かちょっかい出してきたんじゃないの?』 恐るべき勘の鋭さに、古泉は軽く苦笑しながら、 「ええそうです。どうやら、こそくな嫌がらせ行為をしているという噂を聞きつけましてね。 どうやら部室に対して何やら仕掛けをしようとしているようです」 『ぬわんですって! ほんっとに懲りない奴ね!』 「そうですね。僕もすぐに部室の状態を確認しようと思ったんですが、あいにくどうしても手が離せない状態でして。それで涼宮さんに報告をと」 どうやら部室に来ていないということにしたいらしい。 『大丈夫よ! 今からあたしがすっ飛んでいってそんな悪巧みを粉砕してやるわ! どうせ入り口に黒板消しを挟んでいる程度でしょうけどね!』 そこまで言ってハルヒは一方的に電話を切った。短絡的な反応に古泉は満足したのか、いつものニヤケスマイルを工作員に向けて、 「では僕は退散します。がんばって涼宮さんの退屈を紛らわせてくださいね」 そういって部室を出て行った。その後、ドドドドドと廊下をダッシュしてくるハルヒの足音が近づいてきて―― ◇◇◇◇ 終わり。腹黒い古泉が考えそうな展開だ。このあと取ったハルヒの行動は、上の方のヒーロー編かトラウマ編を参照してくれ。 さて、古泉効果があったのかは知らないが、ぼちぼち眠くなってきたぞ。しかし、まだやめるわけにはいかんのだ。 俺のすぃ~とえんじぇ~る・朝比奈さん編が残っているんだからな~。 ● 朝比奈みくるの場合 (逃走編) まずは部室に来ないと話にならないから、朝比奈さんが誰もいない部室に登場~。 「こんにちは~、あれ? まだ早かったかな?」 そう誰もいない部室に入りつつ、辺りを見回すんだが、当然団長席上の奴に気が付く。 「ひっ……!」 そんな感じで引きつった表情になる朝比奈さん。そして―― 「うひゃひおえ~!」 声にならない悲鳴を上げて部室から逃げ出したのだった。チャンチャン。 ◇◇◇◇ 終わりかよ! 終わっちまったよ! てか、カマドウマの時の反応を考えれば、発見→逃走とつながるのは当然だろ。少し手を加える必要があるな。ここは俺と一緒に部室にやってきたことにしてみよう。 ――く~、かなり眠くなってきたががんばれ俺! ● 朝比奈みくるの場合 (迷走編) 朝比奈さんと談笑しつつ、部室に入る俺たち。当然奴に気が付くわけだが、ドアを開けたと同時に気が付いたらさっきの二の舞だ。 部室に入りドアを閉めてから、奴の存在に気が付かなければならない。 「ひっ……!」 条件がそろってからようやく朝比奈さんが奴に気が付く。当然、予想もしていなかった俺も驚くが、ここは勇気を振り絞り、朝比奈さんをかばうように奴の前に立ちふさがろうとして―― 「ひえ~! こわいこわいこわいこわいこわい~!」 突然朝比奈さんに抱きつかれてしまう。ふくよかな感触で俺の頭が飽和状態になる一方、へんに強く押さえつけられてしまったために身動きが取れない。 「ちょ、ちょっと朝比奈さん離れて……げ!」 幸せ拘束状態の俺にしめたと思ったのか、黒い悪魔は俺の顔面めがけて飛び立った―― ◇◇◇◇ なんでこーなるんだ! やっぱりカマドウマの時の一件か!? あれが原因なのか!? 確かに一歩間違えば、命に関わりかねない状況だったけどな! く……これはヤバイほどに眠たくなってきたぜ。しかし、ここで負けるわけにはいかない。 恐らく次が最後となるだろう。ならば捏造でも何でも放り込んで最大級のハッピーエンドを迎えて夢の中へ行くべきだ。続きが見れるかもしれないからな! ● 朝比奈みくるの場合 (やけくそ編) とにかく、朝比奈さんと一緒に部室にはいるまでは同じだ。違うのは奴の存在に気付いてからになる。 「ひっ……!」 朝比奈さんの引きつった悲鳴。そして、俺にそのまま抱きつこうとするが、 「待ってください。朝比奈さん」 気持ち悪いくらいに誇張された口調の俺。そして、続ける。 「どうやら不届きものが、俺たちの愛の巣に侵入しているようです。しかし、ご安心ください。俺が守ります」 「キョンくん……ありがとう」 感激の声を上げる朝比奈さん。こんな良い感じになりたいぜ。 さて、ここからは俺のパートだ。だが、長く時間をかけるわけにはいかない(眠いからな)。そのまま訳のわからんカンフーポーズを決める俺。 「一瞬できめるぜ……」 だが、奴はそれをハッタリと見たのか、間髪入れずに飛行形態へ変形、一気に襲いかかってきた! 「甘い――破っ!」 俺の拳から発した衝撃波で奴は原始分解を起こしたように消滅した(さわると汚いし)。勝利をつかんだ俺はマイエンジェルの方に振り返り、 「喜んでください、朝比奈さん。悪の侵略は費えました」 「よかった……キョンくん、すてき……」 朝比奈さんは満面の笑顔を浮かべて、俺の元に寄る。 そして――上目遣いのまま、目を閉じる。(キスOKという合図さ) 「朝比奈さん……」 「キョンくん……」 俺と朝比奈さんの顔がじりじりと近づいていく。 もはやストーリーもリアリティも存在しないご都合主義展開の固まりだが、知ったことか。ここまで来たらもう後には引けん。行け! 行くんだ俺! GO! ◇◇◇◇ ……ぐう。 翌日の授業中、恐るべき睡魔との激しい肉弾戦を展開する中、昨日の俺のバカな行為を散々呪ったことは言うまでもない。
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SS3以降に望む改善点 次回があればこうした方が良い、というご意見をお聞かせ下さい。 特になし やはり負けたら地獄行きというのは重すぎたように感じますので、SS1くらいノーリスクであれば野試合や裏トーナメントも気軽に出来、幕間などで試合後のキャラクター同士の交流も書けますし、参加者にとっては敷居の低いキャンペーンになると思います。能力も非公開として欲しいです。 改行位置や文字演出を、事前にチェックできると有り難いかな、と。……うん、そのためには〆切前にちゃんと送れって話なんですが(・ω・) NPCvsPCタッグとかも面白いかもしれませんね 面白ければ勝ち進むんですけど、上限決めとかないと収集不可能になりかねないのかなと思いました。票が取れる人がキャンペーンをぶち壊しにかかってこられるとGKどうしようもないですからね現状。 幕間には制限をつけたほうが良いと思います。幕間と応援SSは分けたほうが良いと思いました。幕間の多いキャラの背景を掴むのが結構大変だし、読者も幕間の設定を読み込むのは大変だと思います。また、一回読み損ねると話がわからなくなるので続けて読めないという意見もありましたので。GKに余裕があれば2回戦の前に各キャラクターの所に 前話のあらすじ みたいなのがあれば良いと思いました。 今回では【ストーリーについて】で言及した内容が一番ですかね >黒幕設定公開後としての意見 「ウププププ。ボクりくえもんです。SS3は学園モノ。敗者の皆さんには「お仕置き」可愛い子は念入り描写で、野郎は適当に、惨たらしく拷問死してもらいます。」とか面白いと思うのですが、客と参加者はドン引きするかもしれません。対策としてこう最初は「エッヂなお仕置きが待ってます☆きゅぴるん」とか騙しといて上手く参加者を誘い込み、怒涛の鬱展開とか。最後は皆、揃って酷い目に遭えばいいと思います。 現状考え中です・・・ 身内だけで盛り上がっている現状をどうにかしたいけど、どうすれば良いか分からない 個人的にガチバトルばっかはきついかもしれない……w トーナメントだと期間が長くなってしまうので、対戦形式を見直すのも一案。 投票期間は今の倍は欲しい。投票に間に合わせる為に急いで読むのしんどいしSSをしっかり読めない。一度投票が間に合わなくなると読むのが面倒くさくなる。
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140文字SS:スマイルプリキュア!【1】(10話保管) 140文字SS:スマイルプリキュア!【2】
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魔法少女まどか☆マギカSSリスト 2ch もう後悔なんてなにもない たとえ何もかも怖くたって 食べちゃいたいぐらいに・・・ 魔法少女まどか☆マギカでエロパロ 個人 旋条が刻まれた日 契約と束縛 地獄の大公にして淫獣キュゥべえ、風呂場に顕現す 檻の中 well-written contracts
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昨日の夜、俺は悪夢を見た。風呂に入ってたら…寝小便オチはないから安心しろ。風呂に入ってたら突然、ハルヒがすっぽんぽんで入ってくる、という内容だったんだ。別にオチはない。入ってきたところで終わったんだから。これなら、この間の閉鎖空間のようにキスで終わるほうがはるかにマシだ。比較の問題だが。 しかし本能というのは恐ろしい。俺の脳内カメラはそのハルヒの登場シーンを100万fpsで録画した挙句、脳内スクリーンでノンストップ上映を続けている。おかげで寝れやしなかった。なにしろ、あいつは外見だけで言えば北高トップクラスの美少女であるわけだからな。上映内容を詳しく描写しろってか?残念、禁則事項だ。 その本能とのバトルが終了したのは恒例の早朝ハイキング中だった。だが問題はその先、学校である。本人と会うと倒したはずの本能が復活する可能性が大だ。そして、相変わらず席は俺の後ろ、つまり、ハルヒを視界にいれずに教室に入るのは不可能ということだ。俺は最後の可能性、ハルヒが俺より遅く来る、を信じてドアを開ける。いない! やったぜ!今日は遅い!これならなんとか一日耐えられそうだ!と思ってたら目の前に突然現れやがった。入り口に程近い席の阪中辺りと話してたらしい。 「ねえ、キョン!」 朝から元気だなお前は。寝不足の目には光り輝いて見えるぜ…って畜生、予想通りまた本能が復活してきやがった!無意識に胸のほうへ行こうとする視線を必死で戻す、が、妙にまばゆい鎖骨から喉のあたりが目に飛び込んできたあたりで、俺の脳は服に覆われた部分の補完を開始しやがった!ハルヒは何か言ってるが正直それどころじゃない。 「ちょっとあんた聞いてるの?」 いきなり俺の腕をつかみやがった。妙なことを意識してるせいか、つかまれた部分がやたらムズムズする。そしてつい反射的にその部分を手ではたいてしまった。瞬間、ハルヒはもともと大きな目をさらに大きく見開いて 「…キョン…あたしのこと…」 とつぶやいたっきり固まってしまった。こっちはあまりにも無意識での行動だったので、ハルヒの突然の停止がしばらく理解できなかったが、阪中の「ちょっとキョン君あんまりなのね!」の一言で我に返った。 そうだ、たしかに客観的に見れば、汚いものに触られたときのリアクションそのままであり、ハルヒが傷つくのも無理はない。だからって、どうやって謝ればいいんだ?正直に「全裸のあなたを夢に見てしまい、妙に意識してこういう行動をとってしまいましたごめんなさい」なんて言えるわけがないだろう?しかしハルヒは相当ショックを受けたのだろう、固まったまま動こうとしない。殴りかかってきたほうがはるかに救われただろうか。どうすんの、どうすんの俺? 他人から見ればそれから0.5秒後、俺にとっては5時間後。大量の「どうすんの俺?」でいっぱいになった俺の脳はついにエラーを起こし、暴走した。具体的に言うと叫びながら屋上へ走り去ってしまったのだ。そして暴走する瞬間まで、平行して補完シミュレートしてやがった俺の脳に乾杯。 すまんハルヒ。…ああ、教室から古泉が携帯電話片手に青い顔して飛び出してったのが見えた。 すまん古泉。 …はあ、どうすっかなあ~。 教室に戻ってからその日の授業終了まで、ハルヒは目すら合わせてくれなかった。 団活は当然中止。落ち込み、悩みながら帰ろうとする俺を、誰かが引きとめた。無意味にハンサムなその顔はまさしく古泉だった。お前、閉鎖空間で神人と戦ってたんじゃなかったのか? 「さっきまで戦ってましたよ。一体何があったんですか?今日の閉鎖空間の発生数は尋常ではありませんよ。」 俺は今日起こったことを話した。 「確かにそれでは涼宮さんが落ち込むのも無理はないですね…。」 しかし、あんなエロ夢が原因とは言いたくても言えないだろ? 「確かに、涼宮さんのあられもない姿を夢とはいえ、見てしまえば僕でも平常心でいられるとは思えません。」 他人事だと思いやがって、鼻の下伸びてんじゃねえか。 「僕だって高校生男子ですから。それはそれとして、かいつまんで言えば夢で見た涼宮さ んが美しかったからつい意識して、ああいう行動をしてしまったんですよね?」 確かに、単語をそぎ落としたらそうなるがなあ… 「そぎ落とさなくても本質はそうです。その点を伝えれば特に問題はないと思います。」 なんとなく、上手く言いくるめられてしまったような気がしてすっきりしない。しかし俺にはもうこれにすがるほかなかった。 だが正直、このタイミングで古泉に会ったのは幸いだった。悔しいがこういうことを話せる奴は俺の周りではこいつしかいない。谷口は口の堅さに問題があるし、国木田は頭はいいが、こういった面では古泉にはるかに劣るだろう。実際はわからないが、なんとなく。ほかのSOS団員、長門や朝比奈さん、顧問の鶴屋さんは女性だしもってのほかだ。 翌日、ハルヒはいつもどおり登校していた。あまりのショックに学校に来ない可能性もあったので少し安心した。適当に近づいたところでよう、と声をかける。無反応。やっぱり難しいか…席に着いたところでもう一度声をかける。今度は目だけわずかにそらした。俺のために使うエネルギーを最小限に抑えてやがる。これはもう奇襲作戦しかない。俺はハルヒの腕をぐい、とつかんだ。 「ちょっと、なにすんのよ!」 24時間ぶりに聞くハルヒの声。たとえそれが怒声であっても、少しほっとした。だが感動している暇はない。すかさず引っ張る。さすがのハルヒも予想外のことには対応できなかったんだろう、踏ん張れずにこっちへよろめいた。こうなりゃこっちのもんだ。そのまま人気のないところまで連れて行く。目指すはいつぞやの、SOS団設立の協力を要請されたときのあの場所、屋上に続く踊り場だ。あの時とは逆の立場だけどな。あそこなら大丈夫だろう。あとは逃げ出さないようにしっかり肩をホールドして、大きな黒い瞳を見つめて話すだけだ。 …その前にハルヒが口を開きやがった。 「昨日といい、あんた一体何なのよ…昨日はあたしをまるでバイ菌かなにかみたいな扱いしたわよね!かなりショックだったわ!こう見えてもあたしだって乙女なんですからね!」 果たしてコイツが乙女という単語に該当する存在かどうかは知らんが、バイ菌みたいな扱いというのは誤解にも程があるんだがな。何はともあれ、準備は整った。行け、行くんだ (ここに俺の本名が入る)! 「あー、昨日のあれはな、あのー、その、あれだ。その前の夜、夢にお前が出てきたんだ。そのときのお前がとんでもなく美人だったんだ。」 「はあ?それがどうあの行動につながるのよ?」 「あまりに美し過ぎて、一晩眠れなかったほどだったんだ。そんな頭で学校に行って、お前に会って、腕をつかまれてみろ、逆にああいう行動を取ったとしてもなんら不思議じゃないぜ。」 「あたしがそんな言い訳信じると思ってるの?あんたバカじゃないの。」 ちくしょう!頑固にも程があるぜ全く。…でも本当なんだからしょうがないだろうが。万事休すか。いや、待て、この薄暗い空間にさっきの「バカじゃないの」って台詞、一度前にも こういうことなかったか? あったな、忘れもしない、あの閉鎖空間。ご丁寧にハルヒの顔にさす光の角度まであのときそのまんまじゃねえか。こうなったらやることはただ一つ、なんだろうな。 しょうがねえ、やるか。今度は正真正銘の現実でな! 「…どうだ?バイ菌と思ってるやつにこんなことするか?」 ハルヒは昨日同様固まっていたが、顔は見る見るうちに真っ赤になっていった。そうだ、あの時はやった(こら、そこの中学生!そういう意味じゃないぞ!)瞬間目が覚めてるから、後は知らないんだよな。そう思いながらしばらく観察していると、今度は赤く染まった頬をつねりはじめた。 「これ?夢じゃないの?いや、夢だわ。だってあたしの夢って五感があるもの。そうよ、テレビなんかで夢かどうか確かめるために頬をつねる、ってところであたしいっつもツッコんでたじゃない。」 …などとわけのわからんことをつぶやきだした。 お前が夢だと思うなら夢でもいいさ。たぶん一生覚めないけどな。ほら、5分前のベルが鳴るぜ。授業に出ないと俺もお前も困るだろ?特に1時間目は俺が苦手な教科なんだから… ん?お前、何このタイミングで目薬さしてるんだよ。それよりもいつの間に目薬出し入れしたんだ。お前から目を離したつもりはなかったんだが。しかも量多すぎないか?大半があふれてるぞ。 「バカキョン…あんたって、本当にバカなのね!何が授業よ!あんたは勉強以前の問題だわ!」 真っ赤な目でそう言うと、いつぞやの朝比奈さんのように胸をぽかぽか叩きはじめた。ははは、ずいぶん女の子らしいことしてくれるじゃないか。って痛ッ!どっからそんな力沸いてくるんだ! 「心臓にショックを与えて頭に新鮮な血液が行くようにしてやってるんだから!感謝しなさい!」 100Wの笑顔で言う台詞とやる行動じゃないだろ。 …やれやれ。やっぱりこういうオチになるのか。耐えてくれ、俺の肋骨。